第1回 名刺の歴史
名前が書いてある紙なのに紙ではなく刺を使うのは名刺の起源に理由があります。中国の唐の時代に訪問先が不在だった時に木や竹に自分の名前を書き戸口にしていたそうです。「名」前を書いた札を「刺」していたので名刺と呼ばれるようになったといわれております。ちなみに三国時代の呉の武将朱然の墓から見つかった名刺が現存する最古の名刺と言われております。
ヨーロッパで名刺が使われるようになったのは16世紀ドイツだと言われております。その後ヨーロッパ社交界で欠かせない物となります。当時の名刺は銅版画を入れたのもが多く使われていて華やかなものが多かったです。19世紀中頃には写真入りの名刺も登場いたしました。これはフランスの写真家ディスデリにより考案され写真をいれやすいよう57mm×82mmサイズで作成されております。これが現在の日本とフランスの名刺のサイズがほぼ同じ大きさになっている理由といわれております。
日本では19世紀初頭江戸時代から使われ始めたといわれています。訪問先が不在の時に和紙に墨で名前を書いたものを置いてくるというものでした。現在の名刺と近い印刷された名刺が仕様されるのは幕末の頃だといわれています。木版印刷した名刺が使われ外国人と接する際に交換したという記録が残っています。1854年の幕末に黒船が二度目の来航をしたときにアメリカ使節団と幕府の代表が交換したものが現存する日本国内で受け取った最古の名刺とされております。